2024年5月 2日

Creative Challenge

ときめく⾮常⾷ 第2回

ときめく⾮常⾷ 第2回

ときめく非常食


ごはんを⾷べる時間はわくわくしたいし、
ほかの誰かも、そうであってほしい。
つらい出来事があったのなら、
⾷事をしながらでも、前向きな気持ちになってほしい。

⾮常⾷⼤国、⽇本。
災害時の⾷の選択肢は増えた。
家庭での備蓄率は過半数を超えた。
それでもまだまだ、課題がある。
このプロジェクトでは
⾷事にまつわる「ときめく気持ち」に着⽬し、
⼼が動く⾮常⾷を考え、かたちにすることを⽬指しています。

⾷べものと物語が、別の世界線につれてゆく

この世のすべてに興味を失ってしまったかのような子どもに、電車で出会うことがある。
窓の外を⾒るのにも飽きた⼦、そもそも電⾞に乗りたかったわけじゃない⼦…。幼少期に持て余していた暇をどのように感じていたのかもう思い出すすべもないが、ちょっと気が変われば⼤声を出してしまいそうな姿には傍⽬から⾒ていてもソワソワしてしまうものである。逆に突然ご機嫌になったり、別の何かに集中し始めたりするのを⾒ると、こんなにも⼈の気持ちはコロコロと移り変わってよいものなのかと驚かされてしまう。

⼦どもにとって⾮常時は「不安な時間」と「⼿持ち無沙汰な時間」が⼊れ代わり⽴ち代わりやってくるものなのではないだろうか。遊びたい気持ちがあってもできないことが多くて、電⾞の中のように時間を持て余してしまうと想像します。⾮常時に貴重な情報源となるスマホを使わずに「不安な時間」も「⼿持ち無沙汰な時間」も埋めてあげられるもの。それは本なのではないかと思いました。

⾮常⾷の話をすると思っていたのに、なんで本?と気になった⼈もいますよね。
今回ご紹介するのは「物語の⾮常⾷」。
着⽬したのは、想像の世界の⾷べものです。 ⼤⼈になっても、本やアニメに出てくる⾷べものに「どんな味がするんだろう?」と興味津々になることってありませんか。そのワクワク感を⾮常⾷にしてみたいと考えました。⾷事をする時も、その前後の時間も、空想の世界に連れ出してくれる⾮常⾷です。


Prototype 02
物語の⾮常⾷


-⼦どものための⾮常⾷なんですね。

はい、⾮常⾷についてリサーチしていたところ、⼦ども向けの商品は少なく感じたのがきっかけです。⼿に⼊りやすい⾮常⾷の中から、⼦どもに合うものを選ぶのが割と⼀般的になっています。⼦ども向けは少ないといえど⼦ども好みの味付けや⾷べ慣れた味も結構あって、選択肢は多いと思います。興味がある⽅は⽇常の中で試してみるのもおすすめです。ごはんものもお菓⼦もいろいろありますし、なかにはアレルギー対応の⾮常⾷もありますね。

-従来のものと⽐べると、味で選ぶのとは別の視点で考えられた⾮常⾷なんですね。
そうですね。 もしもの時、ある程度年⽉を⽣きた⼈たちと異なる不安を、⼦どもたちはきっと感じているはずで。⾷事の時間を、現実からちょっと距離を置けるような時間にできたらと思っています。

-この箱には何が⼊っているんですか?
中には絵本と⾮常⾷が⼊っています。パッと⾒た感じ、ムック本みたいですよね。
絵本にはストーリーの鍵となる⾷べものが登場します。たとえば「友達とカレーライスをつくるために冒険するお話」や「いつかホットケーキを⾷べてみたいと思っているヘビがあの⼿この⼿で平らげようとする話」といった具合に、ストーリーの軸に⾷べものが出てくるイメージです。物語の中⼼を担った⾷べものが⾮常⾷としてセットで付いています。読みものと⾷べものがリンクすることで、現実と想像の世界の架け橋になれればと考えました。

-⾮常⾷にわざわざ絵本を付ける必要があるのかなと気になりました。
⾮常⾷への興味は、「らしさ」を取り除くことで⽣まれるかもしれません。
⼦どもが好きなものに擬態すれば、⼦どものことを思う⼤⼈たちの気持ちも動くのではと思いました。⾮常⾷を⼿に取るきっかけを増やせれば、と。「もしもの時におなかを満たす⾷事」から「もしもの時に⼼も満たす⾷事」になる点も、⾮常時の⼦どもの⼼理状態を想像すると備えたくなる理由になるので、やっぱり絵本は付けたいですね。


-具体的にどんな料理が⾮常⾷になっているんですか?

⼦どもの好物であげられやすい⾷べものや、馴染みのある⾷事が⾮常⾷になっています。
たとえばカレーライスやホットケーキなど、⼦どもの気分によって要望に応えられるよう、メインもおやつもどちらもカバーしたいです。幼少期を振り返れば、物語に登場した⼤きなカステラやふわふわのパンケーキに胸を躍らせた⼈は少なくないはず。⾷べものにまつわる絵本は世界各国の作品も含めると、400作品近くあるそうです。いったいどれほどの⼦どもたちが「おいしそう!」とワクワクしたことか、本の中に登場する⾷べものの可能性を感じずにはいられません。


絵本の中に登場する想像上の⾷べものを、現実で⾷べる時間を楽しむ「物語の⾮常⾷」でした。
次回もまた別の視点から「ときめく⾮常⾷」を考えてみたいと思います。




興味をお持ちになった⽅へ

ここでご紹介した⾮常⾷は、アイデアを具体的に⾒えるようにしたもので、
まだ実現には⾄っていません。
私たちはフィジビリティに強い会社や団体を探しています。
興味を持たれた⽅は、ぜひ⼀緒にかたちにしてみませんか。

お問い合わせはこちらからお願いいたします。



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