2025年4月 9日
FRONTAGE
画像生成AIの肖像権リスク「誰かに似ている問題」に対応する広告制作PoCを実施

~実在モデルの撮影データを取り込んだ生成AIで肖像権侵害リスク低減を目指し、広告制作の新たな可能性を検証~
フロンテッジは、同じくソニーグループの一社であるSMN株式会社と、モデルキャスティングプラットフォームの株式会社COLORFULLYと協業し、プラットフォームに登録している実在モデルの撮影データと画像生成AIを組み合わせた広告制作の可能性を検証するPoC(概念実証)を実施しました。
このPoCでは、実在モデルの撮影データを取り込んだ生成AIを活用することで、実在モデルをベースとしたさまざまなシーンやポージングを再現し、AIを利用した画像生成における肖像権侵害リスクである「誰かに似ている問題」への対応を試みました。
※トップ画像 : 2名の実在モデルをベースにしたAI生成画像を組み合わせています。
画像生成AIの「誰かに似ている問題」とは、AIで生成した画像が意図せず実在の人物に酷似してしまうことで、肖像権の侵害リスクが生じるケースを指します。この問題は、生成AIの普及が進む中で特に注目されており、広告制作における生成AIの活用を阻害する要因として捉えられています。
フロンテッジは、この問題に対応するため、実在モデルの撮影データを用いるアプローチを検証。AIが生成する画像が特定のモデルに基づくことで、肖像権侵害のリスクを低減できる可能性を確認しました。
また、複数の広告主と協力し、この仕組みを用いた広告を配信した結果、すべての広告主から一定の評価を得ることができました。
<評価のポイント>
● 多様なシーンやポージングの作成が効率的に行える
● 肖像権侵害のリスクが低減されることで、安心感を持って広告制作に取り組める
<広告パフォーマンス、コスト面での検証結果>
● 制作費を約30%以上削減できる可能性
● 制作期間を約50%以上短縮できる可能性
これらの結果から、「実在モデルを活用した人物画像で、肖像権の侵害リスクに配慮しながら、効率的かつコストを抑えた質の高い広告制作を行える可能性」を確認。特に大量の広告バリエーションの制作やターゲット別の広告最適化において効果的なソリューションとなることが期待されます。
今後の展開 |
今回のPoCで明らかになった以下の技術的課題や運用上の改善点を踏まえ、2025年4月以降、事業化に向けたPoB(概念実証のビジネス段階)を実施。実用性の高いソリューションの構築を目指します。
● モデルバリエーションとシチュエーションの多様化
● 生成AIモデルの精度向上
● カスタマイズ要件への柔軟な対応
● 運用フローの最適化とスケーラビリティの向上
【PoC参画企業】
株式会社COLORFULLY
13,000人以上の登録モデルを抱えるキャスティングプラットフォーム運営会社。モデルやインフルエンサーと企業をつなぐプラットフォームの運営、クリエイティブ制作も展開。
※本PoCでは実在モデルのキャスティング・肖像権・契約管理を担当。
URL:https://colorfully.jp
SMN株式会社
ソニーグループで培った技術力をベースに、マーケティングテクノロジー事業を展開。「技術力による、顧客のマーケティング課題の解決」を実現するため、ビッグデータ処理と人工知能のテクノロジーを連携し進化を続けている。
現在、広告配信プラットフォーム「Logicad」、マーケティングAIプラットフォーム「VALIS-Cockpit」のほか、テレビ視聴データ活用広告配信サービス「TVBridge」を提供するなど、マーケティングに関する様々な課題解決を実現するソニーグループのマーケティングテクノロジー事業会社。
※本PoCでは所有する配信プラットフォーム「Logicad」にて広告配信を担当。
URL:https://www.so-netmedia.jp
上記の企業の他、複数の企業がPoCへ参画していますが、本記事では一部企業のみご紹介しています。
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